スポーツスター(1997年式XL1200C)の腰上オーバーホール&1250cc化

スポーツスターの腰上オーバーホールにチャレンジ

スポーツスターの腰上オーバーホールにチャレンジ
2019年にスポーツスターのヘッドガスケット、シリンダーベースガスケットからのオイル漏れを見つけた。オイル漏れと言っても滲み程度だったので、しばらく放置していたけれど、アメリカから1250㏄キットをセールで買ったのもあって、ついに腰上オーバーホールをすることにした。作業の流れは下記の本が一番わかりやすいかな。これとサービスマニュアルがあれば大して難しい作業ではない。


まずはタンク、シート、マフラーを取り外し。左右2本出しのサイアミーズマフラーを外すのがスゲー面倒臭かった。取り付けるのはもっと面倒なんだけれどね。

アウターロッカーカバーを外してロッカーアームとご対面
3/16インチのヘキサゴンでアウターロッカーカバーを外してロッカーアームとご対面。

スポーツスターのインナーロッカーカバー
今回はロッカーアームは交換しないのでインナーロッカーカバーは持ち上げて取り外すだけ。
※いい機会なのでロッカーアームとタペット周りのパーツも交換しておけば良かった…と後で後悔してます。

スポーツスターのシリンダーヘッド
さらにバラしてシリンダーヘッドとご対面。前回OHしてから走行距離は1万kmも走っていない。念のため、シリンダーヘッドはを裏返してリークテストをして、バルブの密封性が大丈夫なのを確認。というわけで今回は掃除して念のためバルブステムシールを交換した程度でヨシとする。

スポーツスターのシリンダー
腰上がスッキリ。


今回、1250ccシリンダーとピストンを使うので取り外したノーマルシリンダーとピストンは使用しない。ピストンは灰皿代わりに利用するとして、シリンダーはどうしよう…一応、倉庫で保管中。

スポーツスターのピストンピンを取り外し
スポーツスターのピストンピンを取り外すのは専用工具がないと非常~に外しにくい。下記みたいな安いツールで充分使えるので、作業前に買っておくのがオススメ。

スポーツスターに1250㏄シリンダーを組み込む

スポーツスターにNRHSの1250㏄シリンダーを組み込む
さて、1250ccシリンダーを組み込もう! この1250ccキットはアメリカのNRHSというショップ(廃業済)がセールで確か500ドルくらいにディスカウントして販売していた。お店を畳む直前のセールだったので格安でゲットしたのさ。

今のスポーツスターのボアアップキットは1275ccが主流になっているけれど、元々ボアアップにはそれほど興味はなく、シリンダーボーリングをするより、キットを買った方が安かったので1250cc化を選んだだけ。

NRHSの1250ccキットはもう手に入らないけれど、似たようなキットはハマーパフォーマンスの方が評価が高いっぽい。ハマーパフォーマンスの1250ccキットは直接アメリカから取り寄せれば650ドル、1275ccキットは775ドルで売っているよ。
HAMMER PERFORMANCEのWebサイトへ


シリンダーを載せてヘッドボルトを締め付け。ここのトルク管理は重要らしいので、トルクレンチを使ってちゃんと作業する。

アウターロッカーカバーのボルト
アウターロッカーカバー取り付け時にヘキサゴンボルトから、こんなボルトに交換。次の作業時に外しやすくしたかったのさ。アメリカのJ&P Cyclesのページのどこかで売っているよ。今回のオーバーホールに使ったパーツ、ガスケットはすべてJ&P Cyclesで買いました!
J&P CyclesのWebサイト

スポーツスター1250cc+CVキャブのセッティング

スポーツスター1250cc+CVキャブのセッティング
スポーツスターを1250cc化する人はミクニのHSRを選ぶ人が多いようだけれど、CVキャブの楽チンさを失いたくない。今つけているのはフルチューンCVだし。

1250ccでのCVキャブのセッティングはアメリカのサイトを見るとメインジェット185、スロージェット45、ミクスチャー3回転戻しが基本と書いてあった。その通りにしてみたらセッティングはだいたいOK。ミクスチャーだけ少し調整したけれどね。


OHついでに今までの7インチラウンドエアクリーナーから、ストックしていたスクリーミンイーグルのハイフローエアクリーナーに交換。吸気効率はたぶんあまり変わっていないと思う。このデザインに飽きたら、また7インチラウンドエアクリーナーに戻そう。

1250cc化したスポーツスターのインプレ

OHして燃費が17㎞/Lから22~23㎞/Lになったけれど、これは排気量が上がって低回転で走るようになったからかな。実際、1250ccになったら高速道路で法定速度以上出さないと5速を使うことがなくなった。低回転でマッタリ走れるようになったからボアアップして良かったかも。

そんな感じでオイル滲みも止まり、全体的に調子が良くなったけれど、ロッカーアームの音がうるさくなったのが気になる。ロッカーアームやタペットまわりのパーツも交換すればよかった。

と、腰上OHはこれで終わりだけれど、同時にオイルポンプと腰下のベアリング交換、ミッションをスムーズシフトキットに交換する作業もしたので、次の記事で紹介します。