スモールボディのヴェスパ(50、100、125ETS)の違い、ラージボディと何が違う?ボアアップで速くなる?
スモールボディの1979年式ヴェスパ50Sを購入したので勉強してみる
つい魔が差して、1979年式ヴェスパ50Sを購入しちゃった。鉄スクーター経験は何年か前に乗っていた4サイクルエンジンのLMLスターデラックス125しかない。2サイクルエンジンのヴィンテージヴェスパに乗るのは初めてなので、いろいろ調査してみた。
ヴィンテージヴェスパにはスモールボディとラージボディの2種類がある
上の写真のように、ヴィンテージヴェスパにはスモールボディ(左)とラージボディ(右)の2種類がある。ざっくり説明すると小型でRが綺麗なデザインなのがスモールボディ、カクカクしていてやや大型なのがラージボディと考えていい。
※厳密にはスモールボディだけれどカクカクデザインのPK50Sのようなモデルもある。PKから始めるモデルはスモールボディのカクカクデザイン
先日まで乗っていたLMLスターデラックス125はラージボディのヴィンテージヴェスパをインドで復刻生産したもの(エンジンは独自開発)だね。
スモールボディとラージボディのヴェスパ、サイズの違いは?
ヴェスパ50S | ヴェスパPX200 FL2 | |
---|---|---|
全長 | 1,655mm | 1,760mm |
全幅 | 670mm | 700mm |
全高 | 1,015mm | 1,110mm |
ホイールベース | 1,180mm | 1,235mm |
重量 | 73kg | 105kg |
タイヤサイズ | 3.00×10″ | 3.50×10″ |
年式によって微妙に違いがあるかもしれないけれど、スモールボディとラージボディのヴェスパ、サイズの違いは上記の通り、重量については搭載するエンジンの排気量によって違うよ。ラージボディが大きく感じるのは全長で、カタログ上だと約10cm大きいことになっているけれど、実際は10cm以上大きく感じる。全幅の3cmの差はほとんど気にならないかな。タイヤは同じ10インチサイズだけれど、ラージボディの方が少し太いのね。
ラージボディのLMLスターデラックス125を2年ほど乗ってみて、「やっぱりスモールボディにすれば良かった」と思っていたけれど、カタログ数値を見て、これだけしか差がなかったの?と少し驚きだ。
スモールボディのヴィンテージヴェスパは50cc、100cc、125ccの3種類がある
スモールボディのヴィンテージヴェスパは上の通り。左から50S、100S、125ET3だけれど、ボディサイズや灯火類は同じなので見た目には違いがわからない。125ET3だけ全幅が1cmだけ広いみたいだけれどね。ハンドル幅かな?
スペック上の違いは下記表の通り。注目すべきなのはボアとストロークの違い。50Sだけ別のクランクシャフトで100S、125ET3は同じクランクを使い、ボアの違いで排気量を変えている。クランクシャフトまでイジるときは51mmのクランクを購入すればいいってことね。もう1点、100Sだけが3速ってのも今後、中古パーツを購入するときに気を付けないとな。
ヴェスパ50S | ヴェスパ100S | ヴェスパ125ET3 | |
---|---|---|---|
全長 | 1,655mm | 1,655mm | 1,655mm |
全幅 | 670mm | 670mm | 680mm |
全高 | 1,015mm | 1,015mm | 1,015mm |
重量 | 73kg | 73kg | 78kg |
排気量 | 49.77cc | 96.12cc | 121.16cc |
変速 | 4速 | 3速 | 4速 |
最高速度 | 60km/h | 80km/h | 90km/h |
ボア | 38.4mm | 49mm | 55mm |
ストローク | 43mm | 51mm | 51mm |
電装 | 6V | 6V | 6V |
点火方式 | ポイント | ポイント | CDI |
タンク容量 | 5.6L | 5.6L | 5.6L |
タイヤサイズ | 3.00×10″ | 3.00×10″ | 3.00×10″ |
ちなみにスモールボディのヴェスパ50は1963年に生産が開始し、1983年に生産が終了。日本独自のオーダーで1985~2000年まで販売されていたみたい。100Sの販売も同じ時期かな。125ET3は資料を見ると1976~1983年まで販売となっている。1985年以降、125ET3が日本独自で販売されていたのかはデータがないのでよくわからない。
ヴェスパ50Sと50Rの違いは?
50ccモデルでたまにヴェスパ50Rというモデルがある。調べてみると、海外ではスタンダードグレードが50Rでハイグレードモデルが50Sって扱いらしい。何が違うのかというと…
- 50Sは10インチタイヤ、50Rは9インチ
- 50Rの足回りはややグレードダウンしたものが装備(フロントサスにダンパーがない、など)
- 50Sのミッションは4速、50Rは3速
- 50Rのキャブは50Sより少し小ぶりで性能が落ちる
- 50Sはアルミベース付きのフロアデザインで、50Rはゴムが貼ってあるだけ
- 50Rのリアエンブレムは「vespa50」表記で「s」の文字が入っていない。
こんな感じらしい。資料を見る限り、50ccモデルにはただのヴェスパ50やヴェスパ50L、ヴェスパ50Elestart、ヴェスパ50Sprinterなどなど、いろいろな種類があるけれど、どれが日本に入ってきているのかはわからない。
12V電装のライセンス生産モデル、台湾ヴェスパ
ヴェスパ購入前にいろいろ調べていると、台湾でのライセンス生産モデルでヴェスパ50SSというモデルを発見。スモールボディのモデルでSSがつくのは台湾生産モデルっぽい。台湾ヴェスパと他のモデルとの違いは
- ヘッドライトが少し大きい
- PXのようなハンドルスイッチを装備
- 電装が12VでCDI点火
- 50SSは50cc名目で販売されていたけれど、実は90ccの車両が多い(らしい)
ってことらしい。ヴェトナムでのライセンス生産モデルもあるらしいけれど、その辺はよくわからない。ヴェスパはインドで生産していた時期もあるけれど、インド生産モデルは正式に日本に輸入されている車両なんだと思う。
ヤフオクなどを見ると、台湾ヴェスパは安く落札されていることが多いけれど、ヘッドライトが大きいのは賛否ありそうだけれど、12V電装でヘッドライトは明るいはずだし、CDI点火なのでポイント調整も不要。品質も悪くないらしいし、台湾ヴェスパに乗る方がメリットが大きい気がする。台湾ヴェスパの実際の排気量が90ccなら、普通のヴェスパ50Sを買うよりお得だね。
ヴェスパ50Sって遅いの?
まだ購入しただけで乗っていないけれど、ノーマルのヴェスパ50Sは非常~に遅いらしい。ヴェスパ50S最高出力が2.4kWで、今のホンダの原付、スマートディオ3.7kWなのでスペックを見ても通常の原付より遅いのがわかる。
ヴェスパ50Sのボアアップキットの選択肢は75cc、85cc、102ccの3種類が定番
ヴェスパのパーツ通販で有名な宇賀神商会のボアアップシリンダーキットのページやヤフオクを見る限り、75cc、85cc、102ccのボアアップが定番らしい。125ccのキットもあるけれど、調べた限りつけた人のブログが見つからなかった。クランクシャフトの変更無しでボアアップできるシリンダーキットが上の3種類ってことなんだろう。
参考までに75cc、85cc、102ccのボアアップシリンダーキットのボア×ストロークとオリンピアのキットの宇賀神商会での参考価格を記載しておくね。同じボアアップシリンダーキットでもポリーニ製の方が高いけれど、ポリーニ製の方がスポーティな走りができるみたいだね。
75cc | 85cc | 102cc | |
---|---|---|---|
ボア | 47mm | 50mm | 55mm |
ストローク | 43mm | 43mm | 43mm |
キットの参考価格 | 13,200円 | 13,640円 | 14,080円 |
同時に交換すべきパーツ | メインジェット変更、4枚強化クラッチor一次減速変更 | メインジェット変更、スモールエンドベアリング(ワイドタイプ)、メインジェット、4枚強化クラッチor一次減速変更 | メインジェット変更、スモールエンドベアリング(ワイドタイプ)、メインジェット、4枚強化クラッチor一次減速変更 |
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