ハーレー スポーツスター、SR400(500)、XS650(TX650)の魅力と比較

もう15年乗っているスポーツスター(97 XL1200C)と、これまでに所有したヤマハ SR400(ボアアップしていたのでSR500)、ヤマハTX650(後期型のXS650はTX650って名前)には似た魅力がある。スポーツスターに乗っている人で、過去にSRオーナーだった人は多いし、XS650からスポーツスターに乗り換えた知り合いもいる。エンジン種別や重さなど、バイクとしてのキャラクターはそれぞれに違うんだけれど、どこか似た魅力があるバイクなのよね。

スポーツスター、SR400、XS650のスペック比較

スポーツスター(2003年式XL1200S) SR400(2008年式) XS650(1971年式XS650E)
中古車相場 90~130万円 20~60万円 60~100万円
車両重量 240kg 168kg 194kg(乾燥重量)
最高出力 69ps/5,500rpm(1998年式の数値) 27ps/7,000rpm 53ps/7,000rpm
最大トルク 96.02Nm/3,000rpm 29Nm/6,500rpm 53.9Nm/6,000rpm
タンク容量 12.49L 12L 12.5L
フロントタイヤ 100/90-19 90/100-18 3.50-19
リアタイヤ 130/90-16 110/90-18 4.00-18

まずはスポーツスター、SR400、XS650のスペックを比較してみる。比較車種はどれもキャブモデルで選んでみた。スポーツスターは何となく2003年式XL1200Sを、SR400はキャブ最終型の2008年、XS650はデータが見つかった1971年式XS650Eで比較。

中古車相場は中古車サイトを見ながらざっくりまとめたけれど、SR400の中古車はカスタム仕様によって100万円近い値段がするけれど、実際の中古車相場は20万円~60万円ってところだろう。

スポーツスター、SR400、XS650はどれも60~70年代の英車風のデザイン

スポーツスター、SR400、XS650はどれも60~70年代の英車風のデザイン
デザインで共通するのはどれも60~70年代の英車を意識したデザインだってこと。スポーツスターは50年代にアメリカでハーレーを脅かす人気だったトライアンフに対抗して登場したモデル。トライアンフの性能や軽快さに多大に影響されて誕生したKモデルの系譜を今も(デザイン的に)受け継いでいるのがスポーツスター。

SR400はBSAがモチーフ
SR400はトライアンフではなく、ビッグシングルのBSAをモチーフにした車両。SRブームのときはBSAやトライアンフ風のカスタムも流行ったよね。イギリスのモーターサイクルにルーツがあるのがわかりやすいバイク。

XS650はトライアンフを意識した車両
XS650や後期のTX650はSR400の兄弟か親戚みたいなバイク。XS650の方が少し先に誕生したんだけれどね。こちらはトライアンフを意識して並列2気筒のエンジンを採用。トライアンフを意識したものの、英国デザインにオリジナルエッセンスを加えて、後々のヤマハらしいデザインにちゃんと昇華している…とオーナーとしては好意的に解釈している。

ヤマハXS650ファイル

ヤマハXS650ファイル

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どれも空冷エンジンだけれど、形式はバラバラ

XS650のエンジン
スポーツスターがV型2気筒、SR400はシングル、XS650(TX650)は並列2気筒と排気量もエンジン形式はみんなバラバラ。スポーツスターに長く乗り続けているものの、エンジンの造形だけならXS650が一番カッコいいと思う。整備性はSR400が一番。今でこそ、カブをバラバラにしてレストアなんかも自分でやるようになったけれど、自分でやる整備はオイル交換くらい…って時期にもSRはちょこちょこ自分で触っていたもんね。スポーツスターもVツインなのにキャブが1つだけなど、意外と整備性はいいけれど、イジり壊すと高くつくので、エンジンはいまだに自分では触りたくない。

エンジンパワーは1200㏄のスポーツスターが一番トルクフル。でも、XS650の方が体感的には速く感じるかも。ハーレーに比べるとトルクは細いし、最高出力もたいしたことはないのに街中で乗る分には鋭い加速と軽量な車体のバランスが良かった。ただ、XS系のエンジンはヤマハが4サイクルエンジンを作り始めたばかりの頃に開発されたせいか、オイル漏れなどのトラブルは多かったかな。

SRは排気量が小さいのでスポーツスターやXSとはパワーでは比較できない。でも、スーパーカブみたいに下駄がわりにどこにでも気軽に走って行ける、面白いエンジンだったな。購入したときは400ですぐにユーラシア大陸横断仕様にするために500にボアアップしたけれど、400㏄のときの方が面白かった。大型バイクを別に持っているのならSR400を選ぶ方が違った魅力のバイクとして楽しめるかも。最初のSRはフレームからのオイル漏れで泣く泣く処分したけれど、あのバイクはスポーツスターと同じくらい魅力的で、ずっと所有していたかったバイクだった。

スポーツスターはリアタイヤが16インチ

フロントタイヤはどのモデルも19インチか18インチで(実は乗り味に違いはあるけれど)大きな差はない。特徴的なのはスポーツスターのリアタイヤが16インチで130mmもあること。XS650もSR400も軽快にヒラヒラ走るけれど、スポーツスターがどっしりとした走りなのはリアが16インチなのも理由の1つ。それがハーレーらしい走りなんだけれど、XS650やSR400のようなヒラヒラ感が好みだったので、スポーツスターもリア18インチ化して今は大満足。

スポーツスター、SR400、XS650を中古車で買うのなら?

スポーツスター、SR400、XS650を中古車で買うのなら?
スポーツスターは現行のラバーマウントモデルでも結構安く手に入るようになってきた。現行に近いモデルはどれもノーマルでローダウンされていて、スポーツスターらしさに欠けるけれど、XL1200R、883、883Rならラバーマウントモデルでも十分に楽しい。リジットマウントのエボスポーツが好みなら、手ごろな値段で買えるはず。リジットマウントモデルは最低でも15年落ちなので、外れを引いちゃうかもしれないけれどね。ワシのスポーツスターは15年以上、20万km近く走っているけれど、パーツ供給は安定しているので信頼できるメカニックがいれば、まだまだ調子よく維持できるんじゃないかな。

SR400はいくらでも中古車があるし、整備してもらえるお店はそこら中にあるので、何も心配せずに乗ることができる。キャブモデルとインジェクションのどちらを選ぶのかは…インジェクションでも楽しめると思うけれど、キャブ車の方が気軽にパーツを換えて遊べるので楽しいと思う。SRは500にボアアップしてユーラシア横断旅行で9万km+
帰国後に何万kmか、合計で12~13万㎞は走ったはず。少々のオイル漏れでも走れちゃうタフなバイクだけれど、その分トラブルを抱えて流通している車両も多いんじゃないかな。

XS650系を得意としているバイクショップは少ないので、まずは信頼できるお店が近くにないとXS650に乗るのはオススメできないかな。純正パーツは廃番が多く、リプロパーツにお世話になりながら乗るバイク。毎月ガンガン距離を重ねる乗り方じゃなくて、メインバイクは別にあってたまに乗るスタイルじゃないと結構お金がかかると思う。ワシのXS650(TX650)は友人のショップに委託販売で置いているけれど、駐車場に余裕ができたらまた家に持ち帰りたいバイクかな。

カワサキW800(650)や今のトライアンフ ボンネビルはどうなの?

カワサキW800(650)や今のトライアンフ ボンネビルはどうなの?
W800(650)や今のボンネビルはどちらも並列2気筒エンジンでXS650系と魅力が結構似ている。ただ、現代のバイクなのでエンジンの個性は抑え目。トラブルなくロングツーリングも楽しみたいならW800(650)もアリだと思う。ただ、W800(650)はエンジン右側のベベルギア形状が好みじゃない&エンジンフィーリングが大人しすぎるので、借りて乗るどまりだった。ボンネビルは昔のトライアンフのようなセクシーなシリンダー形状ではないのが残念。試乗した感じでは走るのは面白そうだったけれどね。カスタムパーツの選択肢が少なすぎるってのもあって、現行トライアンフは真剣に購入を考えたことはないんだ。