ホンダ スーパーカブのカスタム基礎知識【中古車選び、カスタムパーツ、4速化、バーハン化まで】
1958年に誕生し、60周年を迎えたスーパーカブだけれど、少し前までまったく興味が無かった。遅くてダサいバイクの代名詞って感じだったからね。
が、下にあるようなインドネシアやタイのカスタムされたスーパーカブの写真を見ていて、どうしても欲しくなり、去年手に入れたのよね。
ノーマルのスーパーカブに乗るつもりはサラサラなくて、あれこれ調べて4ヶ月かけてカスタムしたんだけれど、その時に手に入れた知識をまとめておくので、これからスーパーカブのカスタムする人は役立ててちょうだいな。下の本を読んでもカブの歴史がだいたいわかるよ。
All about SUPER CUB ~スーパーカブ大全 生誕60周年記念 改訂版 (Motor Magazine Mook)
- 1. 自分でやる派は1986年7月~2007年8月までの12V、キャブ仕様のスーパーカブがオススメ
- 2. 中古車は圧倒的にカブ50が多くて、少し安い
- 3. ショートストロークなスーパーカブ50・70とロングストロークなスーパーカブ90
- 4. スーパーカブに採用されている純正キャブレターは3種類
- 5. スーパーカブのホイールサイズは2種類
- 6. スーパーカブ90は1998年からフロントドラムブレーキが大口径化
- 7. スーパーカブのハンドル径は19㎜と22.2mmの2種類
- 8. カブのリアフェンダーカットについて
- 9. カブカスタムをベースにするメリット・デメリット
- 10. スーパーカブを4速ミッション化する方法
- 11. 現在の1987年式カブ90(97㏄化)のカスタム仕様
- 12. スーパーカブ初心者が整備にチャレンジするのにオススメな書籍
自分でやる派は1986年7月~2007年8月までの12V、キャブ仕様のスーパーカブがオススメ
スーパーカブは車体が小さく、エンジンも軽いのであらゆるメンテやカスタムを気軽に自分でできるのが魅力。アジア各国から入ってくるパーツも安く、他のバイクなら考えられない金額で、好みのカスタムスーパーカブが作れてしまう。が、2007年9月以降に発売された燃料噴射が電子制御化されたFI仕様のスーパーカブは、従来のスーパーカブに比べるとDIY派のハードルが少し上がってしまう。
吸排気まで自分でやりたい派の人はC50、C70、HA02やAA01などのエンジン型番で呼ばれている、キャブ仕様のスーパーカブを選んだ方が安く、簡単にカスタムやメンテができる。2007年9月以降のモデルはAA02、JA07、JA10などの型番で販売されているので間違えて買わないようにね。FI仕様のスーパーカブはボアアップするのが少し面倒で高くつくよ! ちなみに2018年にフルモデルチェンジして登場したスーパーカブ50/110のエンジン型番はAA09やJA44。AA09やJA44のパーツが出そろうのはまだ先じゃねーかな。
注意!
ココから下に書く内容は12Vのキャブ車のスーパーカブについての内容ね。ここ10年くらいのインジェクションのスーパーカブについては自分で所有していないし、詳しく調査もしていない。
中古車は圧倒的にカブ50が多くて、少し安い
カスタムのベース車両に選べるスーパーカブ50、70、90の特徴については後述するけれど、中古車の選択肢はスーパーカブ50が圧倒的に多く、価格も4万円~と安い。スーパーカブ70は10~15万円、スーパーカブ90は15~20万円くらいと中古車価格はかなり高額になり、台数も少ない。スーパーカブ50は中古車サイトを見れば1000台近く掲載されている(キャブ車に絞ればグッと台数は少なくなるけれどね)。
ワシは不動のスーパーカブ90カスタムを友人からタダでもらってカスタムしたけれど、ベース車両を中古で購入していたら普通のバイクが買えるくらいお金がかかったってことか。
ヤフオクで車体を探せばもっと安く買えるけれど、後から自分で整備するくらいの覚悟をしておこうね。見た目だけ綺麗なジャンクなスーパーカブもたくさん出品されているよ。
ショートストロークなスーパーカブ50・70とロングストロークなスーパーカブ90
ノーマル排気量のまま乗り続けるなら、どのカブを好みで選んでも問題無いけれど、一定以上に排気量を上げるならクランクシャフトが長くて頑丈なカブ90を選んだ方がいい。
スーパーカブ50のボア(内径)×ストローク(行程)は39㎜×41.4㎜、スーパーカブ70は50からボアだけ広げて47㎜×41.4㎜、スーパーカブ90はボアもストロークも違う47㎜×49.5㎜。ボアの広いシリンダーに交換するボアアップは50エンジンベースでも豊富にパーツがあるけれど、一定以上の排気量にするとなると、ストロークが長いスーパーカブ90エンジンが欲しくなる人もいるはず。
スーパーカブ50オーナーも後からスーパーカブ90のエンジンを買って載せ換えたり、クランクケースを加工して90用(中華の互換品もある)クランクシャフトを入れることもできるけれどね。
ちなみにスーパーカブ90オーナーのエンジンカスタムでよく話題に出るタイカブの100EXは50㎜×49.5㎜で、ワシも100EXのシリンダーをスーパーカブ90に装着している。
エンジンチューニングの前提で書いたけれど、スーパーカブ70や90ならノーマルでも原付の速度制限はないし、4速化だけして他はノーマルで乗るのも面白いかもね。スーパーカブ70は中途半端な排気量に見えるけれど、オーナーからの評判もいいみたい。
スーパーカブに採用されている純正キャブレターは3種類
エンジン排気量によってガソリンと空気を混合させるキャブレターも当然変わってくる。スーパーカブ50はPB13、スーパーカブ70はPB14、スーパーカブ90はPB16を採用。どのキャブもメインジェット、スロージェット(パイロットジェット)は共通だけれど、排気量を上げればキャブレターも変更した方がいい。
排気量を97㏄に上げたワシのスーパーカブはPC20に交換している。PC20はPBシリーズとメインジェットは共通だが、スロージェットは互換性がない。
スーパーカブのホイールサイズは2種類
スタンダードなスーパーカブのホイールサイズは17インチで、リトルカブのみ14インチホイールを採用している。街乗りだと14インチの方が軽快で乗りやすく、燃費もいいらしい。カブをコンパクトに見せるために14インチ化も考えたけれど、タイヤ価格が少し高くなるのと、ホイール径が変わるのでメーターギアを交換するのが面倒で断念。
カブ90は前後ホイールとも17×1.40のリムサイズだが、カブ50は前後とも17×1.20とリム幅が狭い。取り付けるタイヤも違うがカブ50に90用のタイヤを履かせることはできる。
17インチと14インチではフロントフォーク内のクッションの硬さが違い、14インチカブを17インチ化するとホイールとフェンダーが干渉する話があるが、17インチ→14インチ化なら大丈夫なはず。ただし、14インチ化した場合はセンタースタンドやキックペダルなど交換した方がいいパーツも出てくる。
ヤフオクでタイカブのアルミホイールが格安で売られていて、ついつい買ってしまいそうになるけれど、タイ仕様ホイールはスポーク種類が日本仕様と違うらしいので、スポークもタイカブ用を調達しておこう。なお、アルミホイールに交換すれば確かに軽量化はできるけれど、直進安定性は重い鉄ホイールの方が上。アルミホイールに交換して失われるキャラクターもあるからね。
スーパーカブ90は1998年からフロントドラムブレーキが大口径化
1997年までのスーパーカブはブレーキドラム径が110mmだったけれど、1998年(1997年後半からかも)から130㎜のドラムブレーキになっている。デカドラム化でブレーキケーブルとスピードメーターケーブルのドラム側取り付け口も変わり、モンキー系ケーブルは取り付け不可になっている。アクスルシャフト径も変更されたのでFドラムブレーキをデカドラムに変更してしまうと、パーツの選択肢が少し狭くなる。
1997年までのドラムブレーキで通常使用は問題ないし、気になるようであれば110㎜ドラムでもブレーキアームを少し長い強化タイプに変更することもできる。
スーパーカブのハンドル径は19㎜と22.2mmの2種類
スーパーカブのハンドル径は一般的なバイクに採用されている7/8インチ(22.2mm)ではなく、19㎜が採用されている。バーハン化するときにハンドル径が違うのでスイッチボックスなど、余計なパーツ交換が必要になってくる。角目のカブカスタムだけは22.2mm採用でバーハン化のベースには適している。
カブのリアフェンダーカットについて
スーパーカブのリアフェンダーをカットする人は多いけれど、鉄製フェンダーなのでDIYでやるのは少しハードルが高い。カットした後のスムージングや錆び止めも面倒。が、カブカスタムはリアフェンダー後部がプラスチック製でボルトで止まっているだけなので、それを外すだけ後ろがスッキリする。
カブカスタムをベースにするメリット・デメリット
ノーマルではカクカクした見た目がかっこ悪いカブカスタム。でも、ハンドル径が22.2㎜だったり、リアフェンダーを切る必要が無かったり、カブ50カスタムだけノーマルで4速ミッションだったり(スーパーカブ90は3速ね)とベース車両には最適。が、スーパーカブ90ベースにはいくつかデメリットもある。
1つ目は角張ったヘッドライトやサイドカバーが採用されていること。これは好みだし、嫌だったら他のスーパーカブのパーツに交換すればOK。どうにでもなる。
2つ目は大きくてダサいスピードメーターに燃料計がついているため、リザーブコックがないこと。ガソリンタンクもリザーブ無し設計なので、タンク下のガソリン取り出し口が1つしかない。後からリザーブコック有にするときはタンクごと変える必要がある。ガソリンタンク上部に燃料計用の配線もあって、カスタムの際はこれも邪魔になる。
ワシはカスタムの大きなメーターが嫌で取り外した。結果、燃料計が使えなくなったので他のスーパーカブ用のガソリンタンクに交換して、リザーブコック有に変更した。ガソリンタンク容量はどのスーパーカブも4Lみたいね。
スーパーカブを4速ミッション化する方法
リトルカブや12Vモンキー、ダックス70やCD50、CD90の4速ミッションを移植したりする方法があるが、排気量によって手法が違うし、各ミッションのギア比が違う。
ワシは下記部品をヤフオクで揃えて4速化。どのくらいミッションの耐久性があるのかはテスト中。今のところ500㎞走行までは問題無し。
・Wave125互換 Special 1次側クラッチ用 4速ミッション
・ホンダ純正 21TキックスピンドルAssy ラチェットガイドプレートなしタイプ
・ホンダ純正 自動遠心4速ミッション用 ギアシフトアーム カブ
・ホンダ純正 Wave 4速 ロータリードラムAssy CD90 100EX カブ
・4速 ロータリードラム用の短いピン(純正品番96220-40100)
ワシはタイカブ100EX互換の4速ミッションやキックスピンドル
ザックリとした4速化の手順は下記に記載。
https://termy.jp/hondacub/7291.html
現在の1987年式カブ90(97㏄化)のカスタム仕様
排気量:97㏄
ミッション:4速
ヘッド:ヤフオク購入ビッグフィンヘッド
キャブ:PC20
カム:過激カムと強化バルブスプリングを当初つけていたものの、ノーマルに戻した
マフラー:B品モナカマフラー
その他: 軽量プライマリードリブンギヤー、軽量カムスプロケット
セッティング:メインジェット80、スロージェット38、クリップ位置下から3段目
燃費:都内の通勤走行で41.3㎞/L
97㏄カブの細かなパーツリストや整備記録は下記に記載。
https://termy.jp/maintenance/7209.html
スーパーカブ初心者が整備にチャレンジするのにオススメな書籍
これからカブカスタム、整備にチャレンジする人はこの2冊さえあれば、だいたいのことができるよ!
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません